先の記事にも書きましたが、このブログを始めたきっかけの一つに、大学の先輩からタブレットを引き取ったということがあります。私は大昔にiphone3Gを使っていましたが、それが壊れてからはずっとガラケーを使っていたので、文明の最先端のデバイスを見て、まるで江戸時代からタイムスリップしてきた人のようになっています。

タブレット端末というおもちゃは、江戸時代の人間に遊ばせるにはあまりにも複雑で難解です。全く使いこなせる気がしません。その点、将棋はいいですね。遊び方が簡単なうえ、江戸時代からルールがほとんど変わっていません。タブレットやスマートフォンでは遊べなくても将棋なら江戸時代の人にも楽しめます。皆様も江戸時代からお越しの方を見かけたらタブレットではなく将棋盤を出してあげてください。きっと喜んでいただけると思います。

複雑怪奇な金属板と簡単質素な将棋盤。この二つが奇跡の出会いを果たしたのが将棋ウォーズです。タブレットをもらっても何すればいいかよくわかりませんが、とりあえず将棋ウォーズをダウンロードしておけば、中身は将棋盤と変わらないのでとりあえず将棋を指すことができます。ウォーズが普通の将棋盤よりも優れているところは、相手を見つけてくれるところです。私のように江戸時代から来た人は周囲になじめずにいるため、一緒に将棋を指してくれる人を探すのも難しいのですが、ウォーズは対局相手を適当に見繕ってきてくれます。同じくネット上での対局場である２４は自分で相手を見つけなければならないので、江戸時代の人にはお勧めしづらいといえます。そりゃウォーズに人が流れる訳ですわ。ウォーズは江戸時代人に優しい。

ただ一つ、江戸時代人の私から見て残念だったのは、ウォーズは投了をする必要がないという点です。２４と違って、詰んだらそこで対局が強制的に終了してしまいます。対局前のあいさつに至っては、する必要どころかする機会すらありません。ウォーズでは皆、ハローもグッバイもサンキューも言わなくなって、こんなにもすれ違いながらそれぞれに対局しているのです。もしかしたら、昨日あなたがウォーズで対局した人は江戸時代の人かもしれません。あなたは江戸時代の人間と会話する非常に貴重な機会を失っているのです。これは大変な損失です。こう考えれば、将棋盤で対局するのもたまにはいいと思いませんか？江戸時代の人が来てくれるかもしれませんよ。