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初心者おすすめ戦法(各戦法の概略)

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初心者おすすめ戦法(各戦法の概略)

※あくまで個人的な見解です
※nmotoは基本的に振り飛車党なので居飛車の記事が手薄ですがご容赦ください。
※基本的に対抗形(居飛車対振り飛車の戦いのこと)を想定しています。
※アヒルなどの一般的に奇襲に分類されるものや嬉野流などのよくわからん戦法は除外します。
※気が向いたら順次追加します


1位:ゴキゲン中飛車
 通称ゴキ中。早い段階で5五歩-5ニ飛車の形を作り、さらに左銀を繰り出して5筋の位を確保しながら戦う中飛車。nmotoはあまり指さないのでどの辺がゴキゲンなのかはよく知らないが、振り飛車の中では現在最もよく指されているものの一つ。

長所:5筋に位を取る関係上、相手の駒組を制限できるため、振り飛車ながらも主導権を握りやすい。憶えるべき定跡は少なめ。相振りにも自然に対応できるのも良い。

短所:居飛車側のゴキ中対策として超急戦が有力視されており、これが非常に激しい戦いになるので、そのことを覚悟する必要がある。超急戦定跡はある程度整備されているが、やや手順が長く変化もそれなりにある。初心者の中で超急戦を仕掛けてくる人はまずいないと思われるが、上を目指すなら勉強は必須。

棋書:『先崎学のすぐわかる現代将棋』(日本放送出版協会)にゴキゲン中飛車が紹介されている。薄い本だが最低限憶えておくべき序盤定跡が解説されており、入門としては十分だろう。文章も読みやすい。


2位:なんでも棒銀
 相手が居飛車で来るなら棒銀。振り飛車で来ても棒銀。とにかく棒銀。なんでも棒銀。飛車角の援護を受けて相手の角頭に突進する銀の破壊力が初心者の間で猛威を振るう。決して初心者にしか通用しない戦法というわけではなく、極めればプロ間でも通用する戦法である。

長所:飛車角銀桂香歩をフルに使う攻めは他の全ての戦法における攻めの基本であり、それを実践や定跡の中で学べるのが良い点。攻める目標が相手の角頭という最も弱い場所であるため、攻めがわかりやすく、良くなった時の状況もわかりやすい。

短所:単純な銀の突進が通用するのは初心者まで。ある程度のレベルになると受ける側も知恵をつけてくるので、定跡の勉強が必要。しかしこの定跡が、局面の細かい違いによって多く分岐するので煩雑。早石田など相性の良くない相手も存在する。相手が居飛車の時だけ棒銀し、相手が振り飛車なら持久戦にするなどしても良いかもしれない。

棋書:あると思うけど知らない。一応、故原田泰夫先生の『将棋をはじめたい人に』(成美堂出版)においてそれなりのページが棒銀に割かれている。



3位:居飛車穴熊
 通称居飛穴。文脈によって囲いのことを意味することもあれば、その囲いを使う戦型そのものを指す場合もある。基本的に対振り飛車専用。飛車は居飛車のままで、角側の香車を一つ上げてその下に玉を入れ、金銀でがっちりと蓋をする。金銀の枚数はできるだけ多いのが理想的。金銀のほぼ全てを守りに使うので一見したところ攻めが手薄に見えるが実際は全然そんなことはなく、堅い守りを担保にした強引な攻めが初心者どころか将棋界全体で猛威を振るっている。

長所:とにかく守りが固い。将棋は「詰まされる前に詰ます」ゲームであるため、自分の玉が詰みにくいことは非常に大きなアドバンテージとなる。自分が詰まない状態からの勝負手で終盤がひっくり返ることも日常茶飯事。また、自玉の周辺にスペースが少ないため「あと何手で自玉に王手がかかるか」の計算が非常に楽。つまり、「防御無視で攻めあった場合、どちらが先に詰むことになるか」を考えるのが容易であり、そのため一手を争う終盤において読まなければならない筋が少なくプレイヤーへの負担が少ない。この点が居飛穴の最大の強みだと思う。

短所:組みあがるのに手数がかかるとか、端から攻められたときに逃げ場がないとかいろいろ言われるが、そんなことよりも一番の問題は、散々に暴れまわった挙句振り飛車党から目の敵にされ、様々な居飛穴対策が誕生してしまったこと。何も考えずに一直線に穴熊に組んで痛い目を見た人も多いはず。本当に様々な居飛穴対策が存在するため、その全てを把握しようとするとちょっと面倒。天下の居飛穴と言えども「これをされるとまずい」という手がいくつかあるので、死にながら憶えていこう。

棋書:たくさんある。が、初心者向けと言えるものは知らない。振り飛車視点での居飛穴対策を書いた本がとにかくたくさんあるので、居飛車党の人もいろいろ目を通しておくと良い。


4位:角交換振り飛車
 角道を開いたままにしておき、序盤に角交換してしまう振り飛車。振り飛車が角交換することは伝統的にタブー視されてきたが、序盤研究の進展とともに振り飛車の有力株の一つになった。従来の角交換しない振り飛車とは根本的に別物。飛車を振る場所により角交換四間飛車、ダイレクト向かい飛車などがある。

長所:角を手持ちにすることによって相手の駒組に制限をかけることが戦法の骨子となっており、主導権を握りやすい。角換わりの将棋全体に言えることだが、変化量が非常に多く、複雑で混沌とした戦いになりやすいという特徴があり、もしかしたら予想外の一手による大物食いもあるかもしれないというのも大きな魅力だろう。

短所:角交換後しばらくは戦いに備えてお互いに自陣を整備していくことになるが、居飛車側は指したい手がたくさんあるのに振り飛車側はこれ以上指す手がない、という状況になった場合、振り飛車側が先に手持ちの角を使って局面を動かしていくことになるが、そのタイミングと場所が難しい。攻めに関する独特のセンスが求められる。

棋書:角交換四間飛車なら、我らが藤井先生の『角交換四間飛車を指しこなす本』(浅川書房)が入門として最適。安定の指しこなす本シリーズ。



5位:早石田
 三間飛車のうち、7五歩と突き出して7六飛-7七桂-9七角…の形の駒組を目指すものを石田流と呼ぶ。名前がかっこいい。その石田流の中でも、初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩とするものは早石田と呼ばれる。早石田の序盤はハメ手の宝庫であり、知識不足の初心者の間で猛威を振るっている。

長所:石田流の駒組の形は攻めの理想形の一つ。自分から仕掛けることができるため、戦いの主導権を握りやすい。序盤に憶えておくべきことが多いが、大体が「居飛車側が知らなければ死ぬ」といった類のものであるため、憶えるのはそれほど苦にはならないはず。早石田は相振り飛車にも対応できるのも良さの一つ。

短所:居飛車側に初手で飛車先を伸ばされると7五歩(3五歩)とできない。理由は各定跡書を参照。実際、居飛車党で最初に飛車先の歩を突く人がいるが、それは石田流を牽制する意味が含まれている。その場合には別の戦法、例えばノーマル三間などで対応しなければならない。

棋書:入門書と言えるかどうかわからないが、『久保の石田流』(毎日コミュニケーションズ)は序盤の変化から丁寧に解説されており、親切。



6位:右四間飛車
 飛車を4筋に振り、そこから角銀桂も動員して突破する戦法。シンプルかつ暴力的な破壊力が初心者の間で猛威を振るう。プロ間ではあまり見かけない戦法であるが、アマチュアの間では現在でも根強い信奉者がいる。

長所:最大の魅力は攻めのわかりやすさ。攻めに関しては一度形を構築してしまえばあとは仕掛けのタイミングを計るだけで良い。囲いはそこそこに序盤から攻める急戦型、攻めの形を作って牽制しながら自玉を穴熊や米長玉などに囲う持久戦型の両方があり、意外と好みに応じた戦いが作れる。

短所:長所である攻めのわかりやすさは裏を返せば変化が少ないということである。変化が少ないということは地力の差が出やすいということである。勝てる相手には勝てるが、勝ちにくい相手には勝ちにくい。良くも悪くもそんな戦法。

棋書:あるけど忘れた。ちょっと待って。



7位:ノーマル振り飛車
 ▲7六歩△3四歩に▲6六歩として角交換を防ぎ、そのまま駒組を進める振り飛車の総称。飛車を6筋に振るノーマル四間飛車や7筋に振るノーマル三間飛車が代表的。由緒ある戦法の一つであるが、昭和末期から台頭してきた居飛車穴熊によってそのほとんどが駆逐され、現在では絶滅の危機にさらされている。しかし比較的穏やかな戦いになりやすいのが好まれるのか、長い歴史による安心感のためか、アマチュアの間では愛好家はとても多い。

長所:歴史の長い戦法であるため、対急戦や対準急戦を中心に定跡はよく整備されている。角道を止める性質上角交換も起こりにくいので、安定感のある戦いがしやすい。

短所:形にもよるが、多くの場合、自分から攻める能力に欠けるため、相手に自由な指し回しを許しやすい。その影響が最も顕著に出るのが居飛穴との戦い。攻めの形が五分のまま居飛穴に組まれるとまず勝てないので、居飛穴対策は絶対に必要。例えばノーマル四間飛車なら藤井システムや6六銀型(4四銀型)四間飛車などがあるので、どれか一つでもいいから用意しておくこと。また、居飛穴に限らず居飛車側の対抗策も様々にあるので、憶えるべき定跡は多め。ノーマル四間飛車なら棒銀や左銀急戦、4五歩早仕掛け、右四間飛車、5筋位取りあたりの定跡は押さえておきたいところ。

棋書:四間飛車なら我らが藤井先生の『四間飛車を指しこなす本』(浅川書房)が入門として最適。安定の指しこなす本シリーズ。




























1845714位:なんでも右玉
 相手が居飛車なら右玉。振り飛車でも右玉。とにかく右玉。なんでも右玉。矢倉型、風車型、対振り飛車用の糸谷流などいくつかの類型がある。いずれも受けとカウンターに特化した戦法であり、一見したところスキのない構えが初心者相手に猛威を振るう。入玉を狙いやすい戦法でもあり、多くの右玉党がトライルールの制定を熱望しているとかいないとか。基本的に初心者に全くおすすめできるものではないが、nmotoは初心者時代に先輩から教えられました。合う人には合うかも。

長所:憶えるべき定跡がとても少ない。また、相手の戦型に影響を受けにくいのも特徴。されると右玉にできなくなるのは石田流くらい。マジで楽。本当に楽。

短所:一見したところスキがないのは初心者にとっての話。実際はとても防御力の低い戦法で、ちょっと受けを間違えると死ぬ。タンスの角に小指がぶつかって死ぬレベル。具体的には上から攻められると死ぬし、横から攻められても死ぬ。たまに端を攻められて死ぬことも。とにかくよく死ぬ。実は守りの要駒が飛車であるため、攻めに関して不安が付きまとうのも弱点。あとついでの話だが、右玉苦手な人はとことん苦手意識を持っているため、あんまり身内で無双すると対局相手がいなくなるのが辛い。さらについでの話だが、右玉関連の本は古書市場においてやたら高い値段がつくのも辛い。(二歩千金様の記事「「右玉(左玉)」の棋書は超高価プレミア本になる法則?!」を参照)

棋書:『とっておきの右玉』(毎日コミュニケーションズ)の評判が良いと聞くが、例によって中古本でもやや高め(201年6月11日時点でアマゾンの最安値が約2300円)。今なら『右玉伝説』が『棋界に伝わる二つの秘法 雁木・右玉伝説』(どちらも毎日コミュニケーションズ)として復刊されており、こちらが入手しやすいと思われる。
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