毎年この時期になるとスーパーのビールコーナーに琥珀エビスが並べられているのを見て「俺はこの一年一体何をしてきたんだ…」という気持ちになって死にたくなってくるのですが、「待てよ、もうちょっとだけ頑張って生きれば今年の一番搾りとれたてホップが味わえるじゃないか!」ということを思い出して明日一日を生きていく元気を取り戻すようになります。秋は悲しみと喜びの季節。皆さんもとれたてホップを希望に生きていきましょう。
というわけで今年4月くらいから飲んできたビールのまとめです。食い物の感想なんてウマいマズイだけでいいと思うのですが、それだけだと面白くないし、何よりもマズイと言われた醸造所の人が怒って美味しいビールを造らなくなってしまうと非常にマズいので、やらないことにします。ただ、舌音痴なうえに筆音痴なので美味しいビールをその美味しさの通りに皆様にお伝えする自信はないですし、神の雫の登場人物たちのように酒の味をポエムで表現するというのはより一層困難そうですので、各ビールについて個人的な感想をさらっと書いていくことに留めます。そのかわり、印象に残ったビールは長めに、印象に残らなかったビールは短めに書くことによって、それぞれのビールから受けた印象を表現したいと思います。察しろ。あととてもおいしかったビールはとてもおいしかったと書きます。それでは参ります。順番は思い出した順です。
・アサヒビール 吾妻橋麦酒 エールタイプ
スーパードライ味じゃないアサヒ…。尊い…。おいしい…。
こういうの分類できなくて困るんだけど、ゴールデンエールでいいのかな
・サッポロビール 百人のキセキ 魅惑の黄金エール
上の吾妻橋よりもしっかりとしたコクのあるビール。だったと思う。苦みも強い。おいしい。
百人のキセキシリーズはいつも楽しみ。だから近所のコンビニさんは発売したら入れてください。絶対ですよ。
・サントリー クラフトセレクト ペールエール
いつものサントリーがPAを造るとこうなるという例。
・サントリー クラフトセレクト ブラウンエール
いつものサントリーがブラウンエールを造るとこうなるという例。
・ヤッホーブルーイング 前略好みなんて聞いてないぜSORRY セッション柚子エール~あら塩仕立て~
前略シリーズ第四弾。柚子柚子。塩…?最近分かったけど、セッションとかセゾンとかあまり好みじゃないかも。柑橘類使用系は個人的には当たり外れが激しい。これがおいしいのはわかるんだけれども。
・木内酒造 常陸野ネスト セゾン・ドゥ・ジャポン
柚子柚子柚子柚子。どう考えても隠し味にほんのちょっとなんかじゃない。柚子柚子。米麹…?
個人的にはセッション柚子エールよりも気に入りました。味の傾向は全く同じなのにね。米麹の差…?
・木内酒造 常陸野ネスト エキストラハイ
正直よく覚えてない…。たしか、えーと、度数のわりに飲みやすくて、麦とアルコールの優しい味のビールだったと、思います。おいしかったのは確か。体調いい時にもう一度飲めばいいかも。
・Cerveceria Mexicana デイオブザデッド
ヴァイツェン。バナナの香り。甘め。おいしい。値段を考えれば非常に優秀なビールと言えるのではないでしょうか。カルディで半額セールされてましたが、買い占めるべきだった…。
・キリンビール グランドキリンギャラクシーホップ
期間限定品。グランドキリンからIPAやでー!とコンビニで見かけた瞬間テンション激上がりでしたが、香りがあまりしない…。グランドキリン先生の次回作に期待。あ、月見何とか飲んでない…。
・サンクトガーレン 黒糖スイートスタウト
甘いと言えば甘いですが、スタウトなのでしっかり苦いです。あとスタウトなので度数高めです。栓開けるとき指についたやつ舐めると甘味がギュっと詰まってておいしかったけど、全部チュパチュパして飲むのが正解だった…?
・ブッチャーズブルーイング ムーチョ アロハ
甘い。殺甘。常温で飲んだけど少し冷やして飲んだ方がよかったかも。マジ甘い。アメリカンペールエールのようなホップホップしてるやつではなくボディントンパブエールのようなスムース系。あれを超濃縮して水っぽくなくしたような感じ。それにしても甘かった。
・アンカー オールドフォグホーン
スタイルはバーレイワイン。前に一度飲んだことがあったけど、体調が悪かったからかその時はおいしさがよくわからなかったので再度購入。
おいしい…。とてもおいしかった…。飲んだ瞬間に体が温かい…。熟成された複雑なうまみ。
やっぱり度数高い系のビール飲むときには体調を万全にしてから臨むべきですね。アルコールが体の内側から全身を包み込むように温めてくれます。アンカーオールドフォグホーンは小春日和の日に干した毛布のよう。お母さんの優しさ。
【最近のビール雑感】
以上、今期飲んだビールの感想でした。実際は明らかにこれ以上飲んだはずですが、大体忘れています。ちゃんとメモしないと…。
最近はクラフトビールブームということですが、日本の大手各社も多様なエールビールを造りはじめてますね。喜ばしいことです。サントリーのプレモル青缶とかサッポロの百人のキセキシリーズとかいい感じだし。僕たちのキリン先生は今後に期待。アサヒはアサヒスタウトの増産に早くとりかかりましょう。
そのうちどこかが「IBU日本一!」とか「ホップ使用量30倍!(当社比)」とかのコピーのついた頭おかしいIPAを造って流行に乗ってきた新規ビールファンたちを戦慄させてくれないかなと思っています。キリン先生とか特にいかがでしょうか。ヤッホーブルーイングと提携したキリンさんはぜひあの好みなんて聞いてねぇマインドを吸収してほしいものです。「何このビール苦っ」「誰だよこんなの買って来たの…」「もうビール飲まんわ」みたいな空気が宅飲みの場に流れる場面を想像すると目頭と胸が熱くなります。こないだ近所のリカーショップでカップルがオラホのキャプテンクロウの缶を手に「ねえねえこの絵可愛くない~?」とか言ってはしゃいでたのを見てそんなことを考えました。