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待宵後集第三番

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待宵後集第三番




 上の図は江戸時代の詰将棋集「待宵後集」第三番の問題。何人かに出題したらなかなかに好評だったのでこちらにも。
 天野宗歩の弟子に瀬渡荘治郎という人がおり、彼が自分の弟子の教育用に作成したとされるのが「待宵」という詰将棋集。「待宵後集」はその続編にあたる。
 古い時代の詰将棋は余詰めがあったり詰まなかったり駒が余ったりするものもあるが、これはきれいにぴったりと詰む。9手詰あるいは11手詰と考えた人は不正解。ちゃんと移動合してください。

正解(以下反転)
ググるよろし
































とかいうと怒られそうなのでちゃんとした答えと解説を。

▲7三金△9ニ玉▲8三金△同角▲9三金△8一玉▲6三角△7二金直▲同角成△同金▲7三桂△7一玉▲6一金まで13手詰

 
 初手は▲7三金と打つしかない。これ以外は上に逃げられる。対する△9ニ玉もルール上この一手。
 次の一手が問題になるが、バラす手順は7一の地点が空いて詰まなくなる。ここは打ったばかりの金を8三に滑らせて捨てるのが正解。結果的に金を一枚使ってと金を消すことになるので気づきにくい。
 4手目は△8三同玉も△同角も考えられる(△8一玉は▲7三桂まで)が、△同玉は▲9ニ角の妙手があり、以下△同香は▲7三金、△同玉は▲9三金△8一玉▲7三桂までの早詰み。したがって4手目は△8三同角が正解。
 続く▲9三金△8一玉まではこうするところだが、その後▲7三桂は△7二玉と逃げられて有効な王手が続かない。そこで▲6三角と離して打つが、これに対して駒を打って(あるいは△7二金左として)受けるのは全て▲7三桂で早詰み。8手目は△7二金直と移動合するのが最善で、▲同角成△同金に▲7三桂の金頭桂の手筋で詰む。△同金は▲8二金打まで。△7一玉も▲6一金まで。10手目7二同玉は▲7三金△8一玉▲8二金どっちでもで簡単。
 最後の7手詰みは実戦でも見逃す人が意外と多い。本問の初形は9二にいると金のせいであまり実戦的とは言い難いが、詰み手順には金を滑らす手筋や香頭への角捨て、最後の金頭桂など様々な筋が詰め込まれている。古典詰将棋の良問と言えるのではないだろうか。
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